木琴にはマリンバとシロフォンがあるのですがご存知ですか?
木琴なら昔やったことがあるわ!
マリンバ?シロフォン?
木琴とマリンバって違うの?
そんな疑問をお持ちの方へ、木琴とマリンバとシロフォンについてまとめてみました!
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木琴とは
まず<木琴>と和英辞典で調べてみましょう。
木琴
〔楽器〕 xylophone(引用:excite辞書 和英辞典)
xylophoneはシロフォンと読みます。一般的に木琴はシロフォンを指すことがわかります。
続いて、百科事典で木琴とマリンバを調べてみましょう。
木琴
旋律打楽器の一種。調律された木片を並べて打奏する。(~以後略)(引用:excite辞書 百科事典)
マリンバ
旋律打楽器の一種。木琴の一種(~以後略)(引用:excite辞書 百科事典)
マリンバも木琴の一種として分類されることがわかります。
(引用元の文章にルーツや仕組みなど書いてあります。東京藝術大学名誉教授の有賀誠門さんによる文で、そちらをご覧いただければ私のページは不要になるかもしれません。笑)
音を聞き比べてみましょう
マリンバの演奏動画です。
(J,S,Bach/リュート組曲 ホ短調 BWV996よりジーグ)
続いてシロフォンの演奏動画です。
(サン=サーンス/動物の謝肉祭より「化石」)
同じ木琴でも全く違う音色が聞こえてきましたね。
それでは、ここから具体的な違いを説明します。
マリンバとシロフォンの違い
- 調律(倍音)
- 大きさ・音域
- ルーツ(歴史)
- マレット
調律(倍音)
同じ木琴の仲間ですが、演奏を聞くと音色に違いがあることがわかります。
マリンバは「やわらかい」シロフォンは「硬い」といった印象を受けると思います。
それは木の板でできた音盤の調律によって生み出されており、調律は音盤の長さ・厚さ・幅、そして裏面を削り調整されているからです。
専門的な話ですが、調律では倍音をマリンバは「基音+2オクターブ上+3オクターブと長3度上」シロフォンは「基音+1オクターブと完全5度上」で合わせます。
(引用:ヤマハ楽器解体全書 マリンバの成り立ち)
大きさ・音域
(画像 左:YAMAHA YX-320/右 YAMAHA YM-5100A)
YAMAHAのシロフォンYX-320とマリンバYM-5100Aで大きさを比較してみましょう。
シロフォンYX-320 | マリンバYM-5100A | |
幅 | 121cm | 261cm |
高さ | 85cm | 86~101cm |
奥行 | 64cm | 103cm |
質量 | 26kg | 96kg |
音板の厚さ | 18mm | 24~20mm |
音板の幅 | 33mm | 72~41mm |
上記の表に加え先述にあった映像や画像からも、音色を出す音盤(音板)、響きを作る共鳴管、支える骨組みもマリンバの方が大きいことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
マリンバの特徴でもあるふくよかな中低音は、この大きな音盤や共鳴管によって生みだされています。
大きさに加え音域も異なります。
マリンバの音域は4オクターブ~5オクターブのものが主流になっています。
4オクターブの音域があればソロ、アンサンブル、吹奏楽において様々な曲に挑戦できるでしょう。
よりマリンバのレパートリーを深めたい場合は低音域を広げた4オクターブ半~5オクターブの音域のマリンバを選択します。プロがソロで使用する場合は5オクターブマリンバを用いることが多いです。
シロフォンの音域は3オクターブ半になります。実音(実際に聴こえる音)は記譜上の音より1オクターブ上です。
シロフォンはオーケストラや吹奏楽での合奏においてきらびやかに際立つ音色を求められることが多いです。
ルーツ(歴史)
木琴の仲間であるマリンバとシロフォンですが、実はルーツが異なります。
木琴の起源には諸説ありますが、古代の人々が音に興味を持ち地面の穴の上に木の棒を渡して棒で叩いていたのが始まりと言われています。
マリンバの起源はアフリカにあるとされています。
マリンバという名称はアフリカのバンドゥー語に由来するもので、平らな板を意味する単語「リンバ(rimba)」に複数を示す接頭辞「マ(ma)」を合わせたものであること、そして南アフリカのズールー族には、マリンバという名前の女神がひょうたんを付けた木琴をつくったという伝説も存在していることからです。
ひょうたんを付けた木琴はバラフォンとして知られています。
(引用:武蔵野音楽大学 WEB博物館)
後にアフリカの木琴は人々とともに中南米へ渡ります。メキシコ・グァテマラ・ホンジュラスなどで多く演奏されている歴史があります。そこではマリンバの音色を作るローズウッドの木も育成されていることから発展につながりました。共鳴器のひょうたんも筒状の共鳴管へ、音の配列もピアノと同様の12音音列に改良され、アメリカへ渡り更なる改良を経て現在のマリンバの形になりました。
シロフォンの発祥はヨーロッパとされています。
ストローフィドル(独:Strohfiedel /英:Straw Fiddle)という楽器がヨーロッパからアメリカに渡り、共鳴管が付き、音列もピアノと同様になり、現在のシロフォンの形に発達しました。
西洋音楽オーケストラでは、サン=サーンス作曲の交響詩「死の舞踏」(1874年)で使用されたのが始まりと言われています。骸骨の踊りを表現したこの曲の中でシロフォンは骨がカチャカチャと擦れる音を表しています。
さて、ストローフィドルを演奏している楽しい動画を見つけたので共有します♪
奏者はJosef Ostさん(85歳!)
<補足>
木琴の発展は東南アジア・東アジアを起源にしたという説もあり、そちらの楽器を少しご紹介します。
タイのラナート
インドネシアのガンバン
マレット
マレット(撥・バチ)は鍵盤打楽器において必須アイテムです。
シロフォンとマリンバでは異なる種類のマレットを使用します。
シロフォン | 糸なし(合成樹脂・ゴム・ガラス・真鍮など) |
マリンバ | 毛糸・綿糸巻き |
演奏する曲や使用する楽器に合うものを演奏者自身で選択し使用します。
指示によってマリンバでゴムマレットを使ったり、シロフォンで毛糸・綿糸マレットを使ったりすることもあります。
いくみのひとこと
以上、マリンバとシロフォンについてまとめてみました♪
わたしの好きな木琴たちについて、より深く知ってもらえる記事になったと思います。
鍵盤打楽器はこれに限らずたくさんの種類があります。
引き続きいろいろ紹介できればと思います♪
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